マイホームを購入する場合、資金繰りの相談会等で
購入資金を親から援助して貰っても贈与税はかからない
という話を聞いたことがあるかと思います。
住宅取得資金の贈与税の非課税という、なかなかメジャーな規定です。
内容は、
父母や祖父母から、住宅の購入に充てるための資金の贈与を受けた場合
700万円(認定長期優良住宅は1200万円)まで
贈与税の申告をすることにより非課税にできる
というものです。
通常は、110万円を超える贈与には贈与税がかかりますので
住宅購入時にこの制度を検討される方も多いです。
相続税と贈与税をセットで考えると、住宅取得資金のための贈与は
相続税の計算をする時に相続開始前3年以内に亡くなった人から貰った財産は、
相続税の計算に入れて計算するという相続税の制度からも外れるので、
親に資金援助をしてもらい、住宅を購入する方にはとても良い制度かと思われます。
しかし、場合によってはデメリットがあるときもあります。
相続税と贈与税をセットで考えるのですが、
小規模宅地の特例と住宅取得資金の贈与税の非課税という規定
で考えると、それほど効果がない場合もでてきます。
小規模宅地の特例とは、亡くなった方が住んでいた土地を
配偶者又は同居親族が相続した場合には330㎡まで80%の評価減できる
という規定ですが、配偶者や同居親族がいない場合には、
別居の親族で3年以上持ち家を持っていない親族も80%の評価減を受けることができます。
80%の評価減という事は、場合によっては数千万円単位で評価が違ってくる可能性もあります。
つまり、相続開始時に別居していたとしても持ち家を持っていない状態であれば
評価減が大きくとれる可能性も出て来ます。
親が購入した物件に子が住む(親とは別居)というのも、選択肢としてはありです。
不動産の名義にこだわらない
親が財産を多く持っていて相続税が課税される可能性がある
場合で、親と同居の配偶者や同居親族がいない場合には
無理に贈与税の非課税を使って住宅を取得するより、持ち家がない状態の方が
相続税での節税効果が得られる可能性も出て来ます。
贈与を行う場合には、必ず相続とセットで考えることをお勧めします。