ふるさと納税を利用される方も年々増えています
節税効果を期待できるイメージが強いですが、
住宅ローン控除がある方については、
ふるさと納税をしても節税効果が少なかったという事もあります。
どういう場合かというと、
住宅ローン控除において、住民税からの控除限度額が上限に達している場合には
ふるさと納税による節税効果は少なくなってきます。
どういう事かというと
大前提として、所得税も住民税も納めた(納める)金額以上は控除できない。
そして
ふるさと納税にも・住宅ローン控除にも上限がある。
ここがポイントです。
では、ふるさと納税と住宅ローン控除について、ひとつずつ見てみましょう 。
ふるさと納税とは、ざっくりと書くと自治体に寄附をすると自己負担2,000円で返礼品を貰える
という制度です。
とは言っても、先ほども触れましたがふるさと納税には
上限額が決まっていてその上限額を超えてしまうと
通常の寄附になってしまいます。
次に住宅ローン控除です。
10年を超える住宅ローンを組んで、住宅を取得した取得した方は
年末のローン残高の1%を所得税から控除し
引ききれなかった部分については、住民税から控除するというものです。
ここでの上限額は13万6500円と課税所得の7%の少ない方です
所得税と住民税で引ききれなかった部分は、消えてしまいます。
では、ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合について、みていきます。
所得税の計算と住民税の計算には順番が決められていて
所得税の計算では、ふるさと納税→住宅ローン控除
住民税の計算では、住宅ローン控除→ふるさと納税
という順番になります。
例えば
住宅ローン控除40万円・ふるさと納税5万円
所得税15万円(ふるさと納税考慮前)・住民税30万円(ふるさと納税考慮前)
所得税率10%
という場合、住宅ローン控除ができる金額は
ふるさと納税を行った場合
①所得税
150,000円-4,800円(ふるさと納税対応分)=145,200円
145,200円(400,000>145,200)
②住民税
400,000円-145,200円=254,800円(①で引ききれなかった分)
136,500円(254,800>136,500)
③未消化分(消える分)
400,000円-(145,200円+136,500円)=118,300円
ふるさと納税を行わなかった場合
①所得税
150,000円(400,000円>150,000円)
②住民税
400,000円-150,000円=250,000円(①で引ききれなかった分)
136,500円(250,000円>136,500円)
③未消化分(消える分)
400,000円ー(150,000円+136,500円)=113,500円
となります。
つまり、ふるさと納税を行ったことにより未消化分が増えてしまい
節税効果が少なくなるという事になります。
ただし、ふるさと納税にはワンストップ特例制度というものがあります
これを使えば、ふるさと納税は住民税のみが対象になりますので、
住宅ローン控除未消化分の増加を抑えることも可能です。