非上場株式の評価方法は3種類あるという事は、以前の記事で書きました。
類似業種比準価格方式については、注意点をメインに書きました。
今回は、純資産価格方式について書いてみたいと思います。
純資産価格方式とは、評価会社の課税時期現在(相続発生時)における
資産と負債をもとに1株当たりの価格を出す方法です。
評価会社の貸借対照表から計算することになります。
ここでポイントなのが、相続発生時の貸借対照表を使うという事です。
相続発生のタイミングは分かりませんので、
相続発生時=決算終了
とはいかないのが通常です。
例えば7月5日に相続発生の場合、7月5日時点での貸借対照表が必要になります
限られた時間の中で仮決算を組むというのは大変です。
原則は、相続開始時の貸借対照表を使用しますが
1 相続開始時に仮決算を行っていない
2 直前期末から資産・負債の大きな増減がない
ような場合には、直前期末の貸借対照表を使って良いという事になっています。
上記で準備した貸借対照表の資産と負債を相続税法上の評価額と
法人税法上の帳簿価格置き換えて、1株当たりの純資産価格を計算します。
この純資産価格が、純資産価格方式による1株当たりの評価額になります
ポイントは、貸借対照表の数値をそのまま使えないという事です
ほとんど同じなのですが、相続税法上の評価額と法人税法上の
帳簿価格に置き換えなくてはいけません。
土地がある場合には、置き換えをすることによって、金額が大きくずれる可能性もあります
評価会社が土地を所有している場合、
相続税法上の評価額置き換える=土地の相続税評価=路線価で計算
という事になります。
非上場株式の価格を出すのに、土地の評価も一緒に行うというケースも出て来ますので
相続財産に非上場株式があった場合には、早めの準備が必要になります。
とは言っても、概算値を早めに把握したいものです。
概算値としては貸借対照表の純資産÷発行株式数で予想をつけておくと良いかと思います。